作品紹介(4)
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作品名赤ちゃんはC子がお好き
読みあかちゃんはとっぴれでぃがおすき
初出パロディコミック プロジェクトA子3(ラポート)
収録封印 ページ数8
あらすじ  
コメント  

   
作品名小さな行為の物語
読みちいさなこういのものがたり
初出「スーパージャンプ」1988年 No.5(集英社)
収録おみそれ!トラぶりっ娘 DX ページ数15
あらすじ 
コメント 

   
作品名封印
読みふういん
初出1988年12月「4 Spirits プラス 2」(1)(ラポート)
収録封印 ページ数50
あらすじ 私の彼,紀井信臣(きい・のぶおみ)−ノブミは変わってしまいました.
それは,あの雨の日の帰り道, 捨て犬をせめて雨の当たらない場所に移してあげようとした時, 私たちを襲った暴走車. あの時の事故が原因なのでしょうか?
それ以来,やさしかったノブミはどこかに行ってしまったかのようです….
…もうひとりじゃない?
……脳のブロック?
………人類の…解放?
なにが…,一体なにがあったの…?
コメント え〜,この作品ほどあらすじを書くのに苦労した作品はありませんでした. というのは,その物語の完成度がかなり高いため, 伏線ばりばりのストーリーをかいつまんであらすじを書こうとしても, 一向にこの作品の面白さが伝わってこないのです. だからと言って,ストーリーのほとんどを書いてしまうのは, この作品のテーマが「日常的SF」である以上,反則技です.
というわけで, 読者に一番近い立場であるヒロインの綾愛(あやめ)ちゃんに登場してもらって, 彼女にモノローグを語らせることで逃げました.すいません.
これはもう,実際に読んでもらって, 私と同じ苦しみを味わってもらったほうが話が早いので, ぜひ,いいあらすじが書けましたら,メールか談話室にて教えて下さい. さっさと差し替えます.
あ,この作品の詳しい説明ですが,単行本のあろ氏のライナーノートが全てです. 買ってお読み下さい.

   
作品名ぱらのいや劇場
読みぱらのいやげきじょう
初出「スーパージャンプ」1988年No.6〜1991年2月号(集英社)
収録ぱらのいや劇場 話数30
あらすじ  毎回,様々な「お題」に沿ったシチュエーションで, ギャグやブラックユーモアをふんだんに盛り込んだショートストーリーを お届けする当劇場.
 時にはお客様からの「お題」を頂戴して, あろひろし風ショートコントに仕立てあげることもございます.
 ささ,お席はおつめになって下さいまし. 大声で笑ってもいいように, お隣の方とは今のうちにお友達になって下さいましね.

 …さあ,そろそろ準備が出来たようでございます.
それでは皆様,とくとお楽しみ下さいまし.さて,今日の「お題」はと言いますと….
コメント  あらすじでも触れている通り, ある題に沿って様々なシチュエーションのギャグを並べ立てる形式の 一風変わった4コマ漫画,といった感じの作品です. スーパージャンプの2色ページにて毎回8ページ掲載され,ときには, 4色で掲載されることもありました.
 ほとんどの作品が一発ギャグであり, ギャグを引き立てるために物語を練り上げる必要がないせいか, そのなんともいえないナンセンスさを伴って, まるでネタ帳を見せつけられているかのような, ほとんど,あろ先生の頭の中を見せてもらっているかのような気分になります.
 この作品を,ギャグ作家としてのあろ先生の, そのギャグの要素が全て詰まっている一つの金字塔となる作品と言ってしまうのは 言いすぎではないと思います.なんと言っても、私の場合, 何回読んでもいつの間にか顔がニヤケてくる自分に「はっ」と気がつくのですから。

   
作品名若奥さまのア・ブ・ナ・イ趣味
読みわかおくさまのあ・ぶ・な・いしゅみ
初出「ヤングキャプテン」1988年1号〜3号(徳間書店)
収録若奥さまのア・ブ・ナ・イ趣味 話数5
あらすじ 奥様の名前は美衣加(みいか).
そして,旦那様の名前は正義(まさよし).
ごく普通の二人は、ごく普通の恋をし、ごく普通の結婚をしました.
ただ一つ違っていたのは
奥様はマッドサイエンティストだったのです…
コメント 作品の様々な経緯は単行本のあとがきを見てもらった方が早いのですが, 「それ行け!奥秩父研究所」と同様, 「あろひろし=マッドサイエンティストもの」という印象を決定づけたのが この作品でしょう. おそらく,この作品ほど「日常的SF」という言葉がしっくりとくる作品は ないのではないでしょうか?
作中の美衣加のマッドサイエンティストとしての誇りを語ったセリフは, 島本和彦に言わせれば「言魂」が乗っているといっても過言ではないです. 一読の価値アリです.
ただ,時々古本屋などで成年コミックの棚に陳列されているのは御愛敬ですけどね.

   
作品名サパー・タイム
読みさぱー・たいむ
初出1988年11月「アメージングコミックス」3号(ラポート)
収録たからもの ページ数16
あらすじ ある夜,旅の途中で財布を盗られた男が買ってくれと差し出した花の名は −「貴婦人の血(レイディズ・ブラッド)」.
その花びらは鮮血の色.その花の香は腥血の香り.その花の蜜は血涙の味.
その花に魅いられた娘の,サパータイムが,今始まる….
コメント ホラーです. あろ氏がオマージュであると示した「リトル・ショップ・オブ・ホラーズ」を 見たことがないので, 原作に対するコメントはつけられませんが, 適当に検索してみつけたページにあるポスターには 「信じられない胸騒ぎ.これが噂のスーパーSFXコメディ」という 宣伝文句があるのですけど…? ハテ?

   
作品名シェリフ
読みしぇりふ
初出「月刊少年ジャンブ」1989年2月〜12月号(集英社)
収録シェリフ 話数11
あらすじ  地方自治強化の観念から,各自治体が警察組織を持つことが可能となった社会. 従来の警察と区別するために,自治体で雇われた警察官は保安官(シェリフ)と 呼ばれるようになっていた.
 そんな社会の,とある町の保安官,易鳥進之介(いすか・しんのすけ)は 今日も町の平和を守るため,ドロボウ猫を追いかけたり,暴走族を 壊滅させたり,タイル張りをしたり,誘拐犯を捕まえたり, ドブさらいをしたり,怪盗と対決したり,パチンコをしたり, 国際犯罪組織と対決したりするのだった….
(注意;易鳥は一文字です)
コメント  優&魅衣終了後,月刊ジャンプで連載された,あろ氏初のストーリー物です. 世界設定がかなりしっかりしており,この設定は後のハンターキャッツに 引き継がれています.事実,後半に登場する輝ちゃんは, しっかりハンターキャッツでは主人公となっており,他にもシェリフでの 登場人物の一部がハンターキャッツに登場します. 月ジャンでは短命に終わってしまいましたが,ハンターキャッツは 結構長続きしたところを見ると,掲載誌の読者層がかみ合わなかった ようです.
 さて,肝心の内容ですが,連載が短かった分アイデアが詰め込まれており, 読み応えのある作品となりました.小粒でピリリと辛い 中学生にはわからない大人の味,といったところでしょうか. 登場人物は,なんとなく,ルパン三世へのオマージュっぽく感じられる雰囲気があり, 主人公のイスカは,他の作品でも主人公を張るほどになりました. これに対して,あろ氏が「他の作品にそのまま出るぞ!」と宣言している 「あのおかた」はまだ他の作品にそのお姿を見せてはおりません. 果たして,そのお姿を拝見出来るのは,いつになるのでしょうか…?

   
作品名任侠妖精伝
読みにんきょうようせいでん
初出1989年7月「4 Spirits プラス 2」(2)(ラポート)
収録封印 ページ数44
あらすじ  「はぐれ江流浮のお竜」こと笛井竜子がひょんなことから逗留する事になった渡和布会は 縄張りをめぐって御醜厘会と血を血で洗う抗争の中にあった. あるとき御醜厘会は手打ちとして花会を申し込むが,これには裏があった.
 一宿一飯の恩義を返すため,御醜厘会の罠に立ち向かうお竜.
 襲撃,裏切り,凌辱,そして用心棒との闘い.
 その昔,神々がより近くにあった時代.魔法や妖精が飛び交い,亜人間や怪物が住むこの世界の, 仁を貴ぶ侠たちのそれぞれの生き様はツボの中のサイコロのごとく回り出す.
 そしてまた,お竜の腕からツボが振られる.

  「−はいります」

コメント  4スピのテーマが「ファンタジィ」というある意味ひねりのないものであったこの作品. あろ先生はこの言葉の内容が示す範囲の広さに非常に悩んだそうです. 当初頭の中にあったアイデアが十分なインパクトを持つという確信が持てなかったある日, ふと頭の中でひらめいたのがこの作品のタイトル「仁侠 妖精伝」なのだそうです.
 ストーリーはひたすら日活仁侠映画のように進行しますが,登場人物はエルフ,ドワーフ, ゴブリンなどなど…とファンタジィ世界の住人です. あろ先生は「これはギャグだ!」と自信満々だったようですが,私も含め, 読者の多くは真面目なストーリー物と感じたようです.
 この原因としては,やはり読者の大半は元ネタである日活仁侠映画を見た事がないということが挙げられるでしょう. 普段,ロードス島戦記あたりを端とするファンタジィ小説を読んでいる人にとっては, 登場人物がいかにおどろおどろしい姿をしていようが,思考や言動は人間のそれと同一であるため, 容易に登場人物に感情移入をして読みこなすことが出来ます. おそらく,この作品はそのようなファンタジィ小説のコミック版としてうけとめられたのでしょう.
 しかし,このことはギャグを意図したにもかかわらず, ストーリー物として読まれても十分なほどの世界設定がなされているという あろ作品の一つの特徴が現れていると言えるものであり,その意味では, 売れる売れないにかかわらず,本作品はあろ作品を代表する一本として挙げることが出来るでしょう.

   
作品名CALLING
読みこーりんぐ
初出1990年2月「4 Spirits プラス 2」(3)(ラポート)
収録封印 ページ数46
あらすじ  ここ数年,天文学者や考古学者をまきこんた謎の一つ, 土星の衛星タイタンに存在するという謎の人工構造物を調べるための派遣された調査船の船員はその目を見張った.
「船長,教えてくれ.
 オレたちはノックをすりゃいいのか?
 ドアチャイムを探せばいいのか?」

 それから140年,運よく恒星間移動の技術を手に入れた人類はまたたく間に銀河系にその勢力範囲を拡大した.しかし, この技術をもともと持っていた異星人がどこに行ったのかは全くもって謎のままであった.
 そしてあるとき,ある種の雑音が銀河系外生命体からのファーストコンタクトではないか,との疑念が持ち上がり, 大学教授であるシン・イスカは調査およびコンタクトに赴くことになった.
 しかし,問題が一つあった. それは,アルディア・スターム女史と一緒に行くことを条件とされたためなのだが….
コメント  4スピのテーマはズバリ「宇宙」であったこの作品. あろ先生は思いっきり直球で勝負してきたため,非常に読み応えのある作品となりました. あろ先生はSFの常識である概念の説明をダラダラとすることは独り善がりとなる危険があるとし, それを防ぐための人間ドラマ,そしてキャラクターを用意するのに時間をかけたそうです. これがもともとのSFの肝であるアイデアを活かす方向で作用し,本作品は傑作に近いそれとなっています. もちろん,探せば粗がないわけではないですが(例えば超空間から脱出する方法など), それを補って余りあるストーリーが気にさせてくれません. やろうと思えば大河ドラマにしても絶えられる設定なので,連載形式で見てみたかった気もします.
 ちなみに,主人公のシン・イスカですが,その外見は「シェリフ」の主人公,易鳥 進之介そのままです. これは描かれた時期がちょうど「シェリフ」を連載していた時期に一致していたため, 「かっこいいおっさん」=イスカ としか連想出来なかったのだと思います. 結果的に「シェリフ」で予告された「あのお方」よりも先に他の作品に出てくることになりました.

   
作品名カーゴシップクライシス
読みかーごしっぷくらいしす
初出1990年8月「コミッククラフト」1号(ラポート)
収録たからもの ページ数18
あらすじ 第三次通商圏宇宙大戦のあおりを受けてパイロット不足となった貨物会社が, 新たにパートナーとして指定したのは航宙アカデミーを卒業したばかりの女の子だった.
世の中の宇宙船はというと人間と直接感応させて操縦するシステムになっているのだけれども, 不慣れな彼女には宇宙の風は冷たすぎ?
コメント 「乗物を自分の手足のごとく使いこなす」ということを,その通りに出来たとしたら…, という思いつきをそのままストレートに作品にしたそうですが,正直, 設定の必然性をあまり感じられないので,ちょっと説得力に欠けているかもしれません. 単なる宇宙遊泳の延長なのか,それとも,亜光速航行ではコンピュータが使えない事情があって, 人間によるリアルタイムのコントロールをせざるを得ないとか…. うーん,説得力に欠けますね.(^^;

 
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