作品紹介(12)
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作品名すずにおまかせ▽
読みすずにおまかせ▽
初出「小学三拾年生」2000年4月号(あちゅきぃ)
収録未収録 ページ数2
あらすじ  新条七海は悩んでいた。
 悩みの原因は、高校3年生だというのに、たった145cmしかない身長。
 吐き出すほどのにぼしを食べても、お腹が壊れるほどの牛乳を飲んでも、 身長が伸びるどころか、その伸びがどんどん鈍ってきているのは明らかだった。

 そんな七海を見て、すずが考えた名案とは...?
コメント  この作品は、創刊30周年を迎えた「小学三拾年生」誌に 毎回4色カラー2Pで連載されているものです。 なんと6440回という連載回数を重ねており、毎月掲載されていたとしても 500年以上もかかってしまう、というとんでもない長寿漫画です。

 …冷静に考えればわかると思いますが、上記の設定は洒落です。 実際はタクティクス社から発売されている「鈴がうたう日」というパソコンゲームの ビジュアルファンブック(アスキー社発行、アスペクト社発売)の中の企画物の一部です。
 そもそも、何故、コンピュータを所持していないはずのあろ先生が、パソゲーの それも18禁ゲームのファンブックの仕事をしているのか、というと、あろ先生本人の 談によると、アスキーの編集者の人から企画の持ちこみがあったそうなのです。 その編集者の方は、ゲーム用のノートパソコンを貸与して、 あろ先生に実際にゲームをやらせた上で描かせる、 という素晴らしく根性の入った方だったそうです (ちなみに、その方を通じてファミ通DCのインタビューが実現したのだとか)。
 で、作品の内容ですが、 私は残念ながら実際のゲームをやっていませんので (本当はこのゲームをやってからここのコメントを書こうと思っていたのですが、 最近はゲームをする時間も取れなくなってしまいました。くすん)、 元ネタとかそーいったことはわかりません。 ですが、ゲームの楽しそうな雰囲気は伝わってきます。 なんとなく、同人誌のゲスト原稿が商業誌に載っかっているような感じがしますが。
 邪推ではありますが、この作品のためにあろ先生が18禁ゲームをやったことにより、 後の「恋人のお口」のような作品が生まれたのだ と思っています。あろ先生の作品の幅を広げる意味では、意義のある作品でしょう。

   
作品名強く、なれ。
読みつよく、なれ。
初出「YOUNGキュン!」2000年7月号(コスミックインターナショナル)
収録おっきくなぁれ▽ ページ数16
あらすじ  主人公が公園でたたずんでいると、 女の子が自殺しようとしている現場に出くわした。 あわてて制止して、話を聞いてみると、 学校で無視されたりいじめられているという。
 それならば、と強くなるためのきっかけをあたえようと…。
コメント  「YOUNGキュン!」に掲載された18禁マンガです。 なんとなく、テーマが「メガネっ娘」という感がしないではありませんが、 別にメガネっ娘でなくても話は成立しそうな気がします。 まあ、「メガネっ娘」=「いじめられっ娘」という構図はよくあるパターンでは ありますので、ツッコむのは野暮というものでありましょう。
 オチについては、うまくまとまっているので、 単純に漫画として楽しめる作品になっていると思います。 ただ、まとまり過ぎて、作品の勢いといったものが感じられないのが、 ちょっと残念かもしれません。

   
作品名きしりの館
読みきしりのやかた
初出「YOUNGキュン!」2000年8月号(コスミックインターナショナル)
収録おっきくなぁれ▽ ページ数16
あらすじ  時は大正の夏の候。
 年は若いが欧州帰りで腕が立つと評判の時計職人の元に、 ある地方の名家から名指しで修理の依頼が来たという。
 舶来の逸品との出会いの期待もあってか、 その依頼を引き受けた職人がその名家の屋敷を訪れると、 出迎えたのはおよそ田舎では似つかわしくない洋風のいでたちの使用人だった。
 薄暗い屋敷に入るとそれまで聞こえていた蝉の声は失せ、 代わりに幾重もの歯車が噛み合う音がその空間を支配していた。
 だが、職人はその中にある音を聞きとっていた。
 精密な機械が狂ったときに奏でるという「きしり」の音を−。
コメント  18禁の「YOUNGキュン」に掲載された本作品には、 あろ先生自身が単行本のあとがきで記しているように、 いわゆる王道となるモチーフが出てきます。 あらすじで記していることから予想出来るかもしれませんが、 そのうちのひとつは「メイドさん」です(もうひとつはネタばれになるので、 ここでは記しません。単行本を買って読んで下さい)。
 作品の雰囲気はいわゆる怪奇物のそれでして、 あろ先生の作品では非常に珍しいものとなっています。 ただ、残念ながらこの手の作品に共通する画面の「暗さ」がもうひとつ 伝わってこず、戦慄とまではいきませんでした。やはり、 かつてあろ先生が4スピリッツプラス2で描いた 「たからもの」のあとがきにて 述懐されたように、「絵柄」の持つ力がこの手の作品では必要なのでしょう (特にトーンワークと光の表現)。
 ただ、この作品を読んで改めて気がついたのですが、 あろ先生の描く女の子の肌に妙な透明感があるように思いました。 登場人物の文字通り無機質なキャラクターのせいなのかもしれませんが、 色白の肌が醸しだす、ぞくっとくる「はかなさ」のような何かを感じます。 いろいろと考えたのですが、これはミステリーの持つそれに近いような気がします。 もしかしたら、私だけの「萌え」なのかもしれない、との危惧もありますが、 またこのような作品を読んでみたいですね。

   
作品名うかつの朝
読みうかつの朝
初出「YOUNGキュン!」2000年9月号(コスミックインターナショナル)
収録おっきくなぁれ▽ ページ数16
あらすじ  
コメント  

   
作品名続・桃色物件
読みぞく・ぴんくはうす
初出「YOUNGキュン!」2000年10月号〜2002年3月号(コスミックインターナショナル)
収録桃色物件2〜3巻 話数16
あらすじ  
コメント  

   
作品名恋が芙蘭 IV
読みこいがふらん ふぉー
初出「ウルトラジャンプ」2000年10月号(集英社)
収録未収録 ページ数24
あらすじ  
コメント  

   
作品名恋が芙蘭 V
読みこいがふらん ふぁいぶ
初出「ウルトラジャンプ」2000年11月号(集英社)
収録未収録 ページ数24
あらすじ  
コメント  

   
作品名科学の女体盛り
読みかがくのにょたいもり
初出「PENTHOUSE JAPAN」2001年6月号〜2002年6月号(ぶんか社)
収録未収録 話数13
あらすじ  ヒッチハイクで無銭旅行をしていた瞳悟空(ひとみ・ごくう)は、公園で出会った ERO研究所所長・笛呂紋かほり(ふぇろもん・かほり)の元で助手として働くことになった。
 そして、悟空はERO研究所で開発される様々な新製品の実験台としてその身を捧げることになったのだった…。
コメント  懐かしのマッド・サイエンティストものです。
 掲載雑誌が「PENTHOUSE」といういわゆる18禁のグラビア雑誌であったためか、 若奥様のア・ブ・ナ・イ趣味それ行け!奥秩父研究所 では出せなかったようなネタが出てきます。表紙の商品広告(?)で惜し気もなくネタを披露してくれたりと、大変サービスのよい作品です。
 ただ、マッド・サイエンティストものにありがちな 「当人にその気は全くないが、作ったものが世界を滅ぼしかねない」というネタが なかったように思います。毎回12ページという一話完結形式だったので、 壮大な話はやりにくかったのかもしれません。
 しかしながら、非常に実用的なのに 見た目はどうやってもエログッズでしかない、という対比で笑わせ、 さらに話をオトす、というストーリーをたった12ページで構成しているのは、 もはや匠の技としか言いようがありません。
 もはや作品中のネタの科学的考証を行うのは野暮というものでありましょう。

   
作品名恋が芙蘭 VI
読みこいがふらん しっくす
初出「ウルトラジャンプ」2001年12月号(集英社)
収録未収録 ページ数24
あらすじ  
コメント  

   
作品名めい探偵 網笠栗須登場!
読みめいたんてい あがさくりすとうじょう!
初出「YOUNGキュン!」2002年4月号(コスミックインターナショナル)
収録未収録 ページ数18
あらすじ  山奥の温泉旅館で起こった殺人事件。 容疑者は事件当時旅館の中にいた4人。 事件の謎に挑む二人の刑事の前に現れたのは、 第5の容疑者…じゃなくて美少女めい探偵、 網笠栗須だった!
コメント  続・桃色物件の連載が終了して、久々に「YOUNGキュン!」誌に掲載された読み切り作品です。 用意された設定自体は大変面白いと思いましたが、ただ、 不完全燃焼になってしまっている感があるように思います。 探偵もの、それも18禁でしか出来ないような探偵ものを目指すならば 謎についても凝ってほしかった、というのは贅沢でしょうか?

 
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