作品紹介(6)
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作品名恋はちょもらんま
読みこいはちょもらんま
初出1994年1月「ヤングアニマルハリケーン増刊」(白泉社)
収録無敵英雄エスガイヤー ページ数19
あらすじ むかしむかし…,あるところにおなかをすかせたおんなのこがいました. あるひ,おんなのこのめのまえに,おとこのひとがあらわれて, ごはんをたべさせてくれました.おんなのこはおとこのひとについていく ことにしました. すると,いつのまにかごはんのくににつきました.そうです,そのおとこのひとは ごはんのくにのおうじさまだったのです….
コメント 童話です.誰がなんと言おうがこれは童話です. 読んだ後に,いくつかの教訓も残してくれますし,恋愛物語でもあります. ぜひとも,世のアパート住まいの独身男性の諸君に読んでほしい作品であります. ちなみに,私はコレが台所に現れると,台所洗剤をぶちまけて窒息させるのが パターンなのですが, この作品を読んでからとってもヒワイな想像をしてしまい困っています.(^^;

   
作品名ふぁいなる ふぁんたじぃ −幻想終宴−
読みふぁいなる ふぁんたじぃ −げんそうしゅうえん−
初出1994年12月「comic WILL」(1)(ラポート)
収録恋は芙蘭▽ ページ数36
あらすじ  「美園るりら,人生最大のピィ〜ンチッ!」
 現実の世界だろうがファンタジィの世界だろうが,先立つものがなくては暮らしていけるわけがないじゃない!
 そんなあたしの目の前に突然現れたのは…,天使様!?
 やったぁ,これでピンチを脱出よ!と思ったのもつかの間, えぇっ?なんであたしが世界を救わなくちゃいけないのぉ?
コメント  タイトル通り,究極のファンタジー…というよりファンタジーの最期と言った ほうがいい作品です.
 4スピが終わった後,「実験と創造」というテーマのもとに創刊された 「COMIC WILL」というアンソロジー集の第1回目の作品でもあります.その際のテーマは「超幻想(スーパーファンタジー)」 でした.あろ氏はこれをそのまま「ファンタジーを超えるもの」と解釈し, 結果,このような作品になったそうです.
 ともかく,あろ氏のファンタジーに対する独特の解釈が非常に楽しい作品でも ありますが,普段TRPG等をたしなんでおり,ファンタジー世界の常識に 縛られている方に是非読んで欲しい作品であります.

   
作品名鉄拳!シンデレラ
読みてっけん!しんでれら
初出1994年8月「バトル エンジェルス」(ラポート)
収録未収録 ページ数16
あらすじ  むかしむかしあるところに, 継母と二人の姉にいぢめられてばっかりいる シンデレラというかわいそうな娘がおりました.
 ある日,お城でブトウ会があるというので, 継母と二人の姉はめかしこんで出かけていきました.もちろん,シンデレラは留守番です.
 「ああ…,私もブトウ会に行きたい….そして,一度でいいから王子様と…」
 そんなとき,煙とともに魔法使いのおぢさんが現れました. そして,シンデレラに魔法をかけて,ブトウ会に参加出来るようにしてくれました.
 カボチャの馬車に乗ってブトウ会の会場に着いたシンデレラは,二人の姉をさしおき,王子様に相手してくれるよう申し込まれました. そして,シンデレラは夢のような時を過ごすことが出来たのです.
 でも,鐘の音が鳴ってしまいました.シンデレラにかけられた魔法は12時になると効力を失ってしまうのです.
 王子様は,帰ろうとするシンデレラを引き留めようとしました.
 「おねがい,止めないで」
 シンデレラは王子様の手をふり払って去ってしまいました.
 しかし,王子様の元には,シンデレラの履いていたガラスのハイヒールが残されていたのです….
コメント  ラポートの美少女格闘アンソロジー集「バトルエンジェルズ」の巻頭を飾った作品です (残念ながらカラーページはありません).
 これはもう,読んでもらうしか説明のしようがありません. おそらく,「ブトウ会」の解釈から話を膨らまして出来たのがこの作品 なのでしょうが,いままでこのような解釈をした作品がなかったのが不思議です. これはもう,先にやったもん勝ちというやつですね.
 イメージとして,爆風スランプの 「シンデレラちからいっぱい 憂さ晴らしの歌 今夜はパーティー」 という曲を指摘して下さった方がいました.

   
作品名角のはじまり
読みつののはじまり
初出1995年4月「comic WILL」(2)(ラポート)
収録未収録 ページ数16
あらすじ 争うことを知らぬ心やさしき種族がいた. その種族が滅ぼうとする刹那,ある若者は欲した.
生き抜くための何かを!
闘ってでも守りたいと思える誇りを!
そして,その誇りの証を!

争うことを知らぬ心やさしき種族がいた.
そして今,新たな道を踏み出した種族が誕生した−.
コメント COMIC WILLの第2巻に掲載された作品です.その際のテーマは 「サイエンスフィクション」.普段,この手のアンソロジー集では ひねくれた解釈を見せるあろ氏ですが,このときは真っ向から 勝負してきた,という感じです. それだけに内容もハードで読ませてくれます. あろ氏がかなり昔に考えていた超大河ストーリーの冒頭にあたる 部分が描写されており,同時に発表された「角のおわり」が その結末にあたります.ハードSF好きの人にはたまらない作品です.

   
作品名角のおわり
読みつののおわり
初出1995年4月「comic WILL」(2)(ラポート)
収録未収録 ページ数16
あらすじ 宇宙海賊・ゴールドアイは永い旅をしてきた. 仲間を…同族を探す旅だった. そして,母星に至った彼女は,自らが最後のひとりだと知った. そして,彼女はもうひとりの孤独の旅人の存在を知った. 彼女は託した.彼女の想いを. そして,誇り貴き種族の最後のひとりの物語がここで終わる−.
コメント 「角のはじまり」で触れたように,超大河ストーリーの完結部です. 非常にきれいに終わっています.広げた風呂敷の正しい畳み方のお手本みたいな ものでしょうか(こんなことをいうと,ネタが鉄腕アトムと同じだ!という 突っ込みを受けそうですけど,感動的ならいーんです). それにしても,こうやって始めと終わりが提供されていると,この世界を 元にしたストーリーがいくらでも出来そうです.小説などでいろいろな作家が この世界をもとにしたストーリーを作ってくれたら楽しそうですね.

   
作品名モンスター ハンター
読みもんすたー はんたー
初出1995年7月「comic WILL」(3)(ラポート)
収録恋は芙蘭▽ ページ数50
あらすじ  ピッチピチの16歳,鎖芙蘭(くさり・ふらん)は今日も元気なゾンビの女子高生. そんな彼女を昔の友達が遠く国からわざわざ訪ねてきたのだけれども,なんでも 彼女たちモンスターを狩ることを生業とするハンターに追われているとか. そして,ついに追いついてきたハンターに, 恋人の舞蔦(まいつた)くんをさらわれちゃった!
コメント  「恋は芙蘭」の続編です. COMIC WILLのテーマが「スペクター・フェイブル(お化け伝説)」ということで, 「恋は芙蘭」の連載用のネタを使ったそうです.
 ここで連載用のネタといっているのは,複数の雑誌社に持ち込んだものの ボツになってしまったという意味です.あろ氏は雑誌社の編集者の趣味に 合わなかったようだ,と回顧していますが,編集者の趣味というよりも 雑誌の規制コードのほうにひっかかるのを恐れたように思えます. しかし,ネタとしては非常に面白いと思うのですけどね…. (あさりよしとおが許せるなら,こっちだって十分に許せると思うんだけどなぁ)

   
作品名私はOL
読みわたしはおーえる
初出「Oh! SUPER JUMP」(集英社)にて連載中
収録未収録 話数3
あらすじ 就職氷河期をくぐりぬけて,やっと就職をした会社は,なんと「悪の組織」だった. そんな会社の中では,普通の人間の主人公はOL(OutLaw)扱い…?
コメント 以外と少ない,あろ氏の4コマ作品です.しかし,最近は 「ぱらのいあ劇場」のように4コマの形式にとらわれていないコマ割りが 目立つようになってきました.(笑)
内容としては,まあまあイケてますが,掲載数が少なすぎます. 今は,キャラが少なく,「立って」いないので,もっと早いペースで作品を発表して 欲しいものです.個人的には,「変態キャラ連発作品」とリンクすると おもしろくなると思うのですが…. (例えば,「恋は芙蘭」シリーズのあとがきで出てきたアレとかコレとか…)

   
作品名ソリャナイゼみるきぃライフ▽
読みそりゃないぜみるきぃらいふ▽
初出「コミックノーラ」1997年2月号〜10月号(学研)
収録ソリャナイゼみるきぃライフ▽ 話数 9
あらすじ 生まれたときから決まっていた許嫁は、ブリっ子で世間知らずな「巨乳」の担任の 先生で…。塩田太陽人(しおた・そると)と美流木(みるき)みるくのあまぁ〜い 生活が始まった…?
コメント 元はノーラの別冊での読み切りで発表するはずが、ノーラのリニューアルで 本紙に短期連載…のはずが、コミックス一冊分の連載になってしまったのが この作品。あろ氏によれば、「まいっちんぐマチコ先生」のオマージュだった らしいが、私はあまりにも巨大な「乳」に目が行ってしまい、まったく気が 付きませんでした。(あと、ランジェリー仮面とか…)

   
作品名ころもちゃんフルオープン 大脱衣!
読みころもちゃんふるおーぷん だいだつい!
初出「ヤングアニマル」1996年No.21(白泉社)
収録ちょっち お・と・な▽ ページ数17
あらすじ 大脱出ショーで名を成した世紀のマジシャン, 弩下田仙行(ぬげた・せんこう)が帰ってきた!
先代の名を襲名した二代目が魅せる今世紀最後の「大脱出」!
今夜,あなたは奇跡の目撃者となる!
コメント ご存知,イリュージョニストとして金正日のお気に入りともなった プリンセステンコーこと引田天功をモデルとした作品です.
内容ですが,うがった見方をすれば,実際の「大脱出ショー」自体がギャグのようなものなので, 作品中のショーをギャグとするのではなく, 主人公のころもちゃんの体質自体をギャグにしてしまったようです.
まあ,作品としてはまとまっているのですが, やっぱり全体として話が小さくなってしまっている感があります.
あろ氏が「三奪関係」のあとがきで述べたように, 「ギャグ作品を完結させるための方便としての恋愛」の見本のような作品と言っていいでしょう.
ここは,どんどんエスカレートして「こんなん無理だろー!」という 大脱出ショーを題材にしていったほうが楽しめたような気がします. 惜しい作品です.

   
作品名なりゆきパフォーマー
読みなりゆきぱふぉーまー
初出「ヤングアニマル」1997年No.8(白泉社)
収録ちょっち お・と・な▽ ページ数16
あらすじ 業界屈指のAV監督,鎗田家郎(やりた・いえろう)が世の男達に問う! 男のロマンとは!男の種としての力は!男の存在価値は!そして,男の最後の「幻想」とは!! AV界一のかぶき男,前立線次郎(まえだち・せんじろー)とのコンビで,世に送り出す問題作,絶賛レンタル中!
コメント お見事です.あろ氏がときどき仕掛ける「野菜嫌いの子にむりやり野菜を食べさせる作品」にしようとする意図がはっきりと読み取れます(何が「野菜」に相当するのかはここではあえて書きませんが…).えっ?私ですか? …食べてしまいました(爆). ちなみに,「パフォーマー」というのは,AV女優という意味だそうです.

 
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